2013年9月27日金曜日

茨城大学大学院の国内実践教育演習を霞ヶ浦周辺で実施

9月25日~27日に、霞ヶ浦とその流域の市町村で、茨城大学大学院サステイナビリティ学教育プログラムの「国内実践教育演習」を行われました。参加者は、農学・人文学・理学・工学・教育学など様々な分野を専攻している大学院生19名と農学部・水圏センター・ICASの教職員5名です。なお、水圏センターの施設は、懇親会(バーベキュー)、ミーティング、発表会、宿泊などに利用されました。 

今回の演習の概要は、行方市とその周辺地域をフィールドワークの場とし、地域の方々へのヒアリングを通して、霞ヶ浦周辺で展開されている産業が地域振興や環境保全への貢献に現在どのように寄与しているか、あるいは今後どのように寄与できるかについて大学院生の立場で考えていく、というものでした。 

1日目の午前中は、行方市麻生保健センターで、行方市役所麻生庁舎の方々のお話。1日目の午後から2日目の夕方にかけては、農業グループ、商業グループ、漁業グループに分かれ、グループごとにヒアリング主体のフィールドワーク[ヒアリング先:行方市役所北浦庁舎、行方市観光商工課、霞ケ浦環境科学センター、きたうら広域漁業協同組合、コイ料理専門店の山源さん、佃煮加工業者の株式会社出羽屋さん、いもやさん、げんきの里さん、農家など]を実施しました。そして、3日目の午後には、水圏センター講義室で成果発表会が行われました。

各グループがヒアリングや議論を通じて導き出した結論は、どれも興味深いものでした。実習生のみなさん、3日間、本当におつかれさまでした。

今回の演習は、地域のみなさまのご協力なしに、実施することはできませんでした。この場を借りて、地域のみなさまに心より御礼申し上げます。(水圏センター職員一同)

市役所でお話を伺っているところ

霞ケ浦環境科学センターで霞ヶ浦の水質について教えてもらっているところ

懇親会開始! 屋外ではバーベキューも
 
佃煮屋さんからいただいた美味しい佃煮!ごちそうさまでした

成果発表会の様子


なめりーミコット(行方市の花のヤマユリの帽子と古代衣装をまとった、かわいらしいゆるキャラ)



2013年9月24日火曜日

東京農工大学の臨湖実習

9月24日~25日、東京農工大学の加藤先生と斎藤先生、学生15名が霞ヶ浦流域での実習の一環で、水圏センターに来所されました。北浦湖心での船上調査(湖沼環境の測定、底生生物調査、プランクトン調査)、実験室内での顕微鏡作業、ろ過作業やパックテストなどを体験していただきました。湖沼での調査は初体験という学生が多く、船上調査・実験室作業ともに、楽しんでいただけたようでした。また来年もお待ちしています。(水圏センタースタッフ&TA学生)

北浦の湖心へ向けて

白色セッキ板で透明度測定

水質測定器の説明(センタースタッフが説明中)

プランクトンネットでプランクトン採集

室内での顕微鏡作業 (顕微鏡用高性能デジカメの画像をモニターに映写中)

最後に集合写真











2013年9月20日金曜日

教育学部社会選修の実習「地域へのアプローチ」

917日(火)~20日(金)に、教育学部社会選修の授業「地域へのアプローチ」が、水圏センターを利用して行われました。参加者は、教育学部の小野寺先生、神奈川大学の横山先生、教育学部の14年生、TA学生の17名でした。実習の内容は、潮来市内旧牛堀町にあたる大賀・大生・釜谷・水原の3集落の農家・漁家計8名の方々への聞取り調査、土地利用調査、および村社(大生神社)での碑文・石塔の調査などでした。 

先生方からは、「昨年と同様、本年度も地域の皆様に温かく迎えていただき、学生はそれぞれに地域の生活や文化に関して知見を深めることができました。今回の経験は、座学では得ることのできないもので、それぞれ教職や公務員などを目指す上で良い経験となったと思います。末筆ですが潮来市役所の皆様、大賀・大生・釜谷・水原地区の皆様に御礼申し上げます。」とのご連絡をいただきました。どうもありがとうございます。 

いつも地形図を片手に地域の生物誌・自然誌を研究している当センターの教員&学生は、参加はできなかったものの、実習内容をとても興味深く感じていました。皆様のまたのご来訪をお待ちしております。(センタースタッフ)
 
集落の土地利用調査を行っているところ(水原地区にて)
 

2013年9月12日木曜日

福島高専の学生と茨城大工学部の先生・学生が来所

9月12日、福島工業高等専門学校の学生がインターンシップの一環で、茨城大学工学部の先生・学生と一緒に来所されました。北浦の湖心で、透明度や水温、溶存酸素量の測定、プランクトンの採集などを体験していただきました。この日は、風が穏やかで天気もよく、絶好の調査日和でした。(井)


湖心を目指して

透明度を測定

水温と溶存酸素量を測定

投げ込み式プランクトンネットでプランクトン採集

2013年9月11日水曜日

信州大学の先生・学生が臨湖実習で来所

9月の9日~11日、信州大学の山本先生と学生4名が来所されました。北浦周辺の水路の生物調査、北浦湖心での船上調査、実験室でのプランクトン観察などの実習を実施しました。また来年もお待ちしています。(井)
北浦周辺の水路における生物調査

北浦湖心へ向かうところ


採水作業
エクマンバージ採泥器とサーバーネット




2013年9月10日火曜日

東大研究チームの鹿島灘調査(秋)

9810日に東京大学大学院水域保全学研究室の佐野先生と大学院生5名が来 所され、鹿島灘の砂浜海岸で魚類調査を実施しました。修論研究の一部で行われているものです。今回で調査が一段落とのことで、安心しました。またの機会の来セをお待ちしております。

波打ち際での網を曳いているところ


理学部 陸水環境科学実習


9月2日~6日の5日間、理学部3年生を対象とした「陸水環境科学実習」が水圏センターで行われました。この実習では、センターの目の前に広がる北浦を調査フィールドに、陸水環境科学、とくに湖沼に関わる環境科学の基礎をじっくりと学びます。今回は、次のようなメニューでした。

<今回の実習メニュー>


1日目:バスツアー:霞ヶ浦(西浦)の自然・再生植物帯の視察
    カワヒバリガイ生息地の視察
カワヒバリガイとドブガイの濾過摂食実験
チャネルキャットフィッシュ駆除釣り大会
2日目:船上での湖沼調査、湖心部と沿岸部での環境要因調査・生物調査など
(クロロフィル量の測定、ユスリカ幼虫の拾い出し・同定、動物プランクトンの同定・計数も学ぶ)など)
3日目:各種漁具(手網、投網、定置網、地曳網)での魚類の採集
魚類の観察・同定・胃内容物解析と食物網図の作成
4日目:実習の取りまとめ&小レポート作成
5日目:まとめのディスカッション

3日目は集中豪雨にあってしまいましたが、さまざまなメニューを楽しんでもらい、TA&教員も安心しました。実習生のみなさん、5日間、本当におつかれさまでした。また、いつでもいらしてください。(TA&教員一同)


集合写真

2013年9月2日月曜日

全長84cmの巨大チャネルキャットフィッシュが釣れました!

公開臨湖実習の期間中にKCB(霞ヶ浦チャネルキャットフィッシュバスターズ)主催で実施した巨大ナマズ釣りトーナメントで、千葉大Nさん(KCBへ入会)が今季最大のチャネルキャットフィッシュを釣りあげました。写真はからだが曲がっていてやや小さく見えますが、正式に計測すると全長は84cm、重さ6.5kgでした。

われわれの経験上、このサイズは、霞ヶ浦で釣獲される最大クラスです。茨城県内水面水産試験場の方々が霞ヶ浦で実施したチャネルキャットフィッシュの生態研究に関する論文(半澤, 2004; 半澤・野内, 2006; 半澤・荒山, 2007など)を参照すると、体長65.5cm(全長にしても70cm台)が最大サイズでした。しかし、これは刺し網などの漁具で捕獲したものだからと思われます。ウェブ上で検索すると、霞ヶ浦では80cmオーバーのチャネルキャットフィッシュを釣り上げている人が幾人かいらっしゃるようですが、正式な記録として残していたり、標本として保管していたりすることはなさそうです。そのため、今回、霞ヶ浦で釣りあげた個体は、正式に標本として残しておこうという話をしています。
巨大ナマズ


巨大ナマズとふつうのチャネルキャットフィッシュ





なお、FishBaseには世界最大のチャネルキャットフィッシュは全長132cmと記されています。日本国内でのチャネルキャットフィッシュの最大サイズについて調べてみると、日本記録は矢作川で釣られた全長120cmのようです。また、岐阜県下小鳥ダムでもニジマスを餌に全長92cmを釣り上げたとする報告もあります(片野ら, 2010)。どちらも標本記録や証拠写真を見つけることはできなかったのですが、90cm前後であれば十分にありうる記録です。近いうちに、霞ヶ浦でもさらに大きな巨大ナマズを釣り上げることができるかもしれません。

KCB会長 K